大原美術館
大原家が築き、倉敷の町と共に発展してきた私立美術館
大原美術館は倉敷を基盤に実業家および社会・文化事業で活躍した大原孫三郎が設立した、日本最初の西洋美術中心の私立美術館です。1929年に死去し孫三郎がパトロンとして援助していた洋画家・児島虎次郎を想い1930年に設立されました。
その後、孫三郎の長男・大原總一郎が現代美術を展示する「分館」、民藝品を展示する「工芸館」を開館。1970年には古美術品を展示する「東洋館」、2021年に「新児島館(仮称)」が暫定開館し現在の形となりました。
エル・グレコ『受胎告知』、クロード・モネ『睡蓮』、ポール・ゴーギャン『かぐわしき大地』など、名画の数々が収蔵されています。
現代においても、アーティストのレジデンスプログラム「ARKO」による制作支援、企画展・作品購入などで今を生きる作家を支援しており、文化事業にも力を入れている美術館です。日本の美術の発展のために本物の西洋美術を見せたいと願った、孫三郎と虎次郎の想いが、現在も受け継がれています。
本館は薬師寺主計が設計した「古代ギリシャ・ローマ神殿風の建築」、分館は「鉄筋コンクリート」、工芸・東洋館は「米蔵を改装した和風建築」と、時代に合わせた形をしていますが、倉敷美観地区の町並みと「調和」しており、倉敷市民にも親しまれています。
収蔵作品だけでなく、建物の外観や館内から見える景色にも注目してみてください。
開館:1930年(昭和5年)
設計:本館(薬師寺主計)、分館(浦辺鎮太郎)
ピックアップ
本館入り口の『和服を着たベルギーの少女』
本館に入ると最初に出迎えてくれます。
児島虎次郎は1908年から5年間ヨーロッパで画家としてのレッスンをうけ、その大半をベルギーで過ごしましたが、ベルギー時代の代表作です。
日本の人々が作り、現代まで使いながら守ってきた「日本の伝統的な町並み」から、大原美術館に足を踏み入れることで、「日本と諸外国、異なる文化・異なる価値観が美しく調和している」というシーンを演出する想いが込められています。
エル・グレコ『受胎告知』
日本にあることが奇跡といわれる作品です。
本館(新展示棟)の2階展示室に常設されています。
本館2階展示室の「丸窓」
本館2階展示室に「丸窓」があります。
ここから、対岸にある有隣荘・語らい座大原本邸など倉敷美観地区の町並みが望めます。
倉敷美観地区内で「2階」の高さから、町並みが望めるスポットは多くありません。「上から見る美観地区」を楽しんでみてください。
工芸館横の池にある睡蓮
工芸館横の池にある睡蓮は、クロード・モネのジヴェルニーの自宅庭園から株分けされ、移植されたものです。
初夏(5月下旬)から10月中頃まで、黄色・ピンク色の可憐な花を楽しむ事ができます。
インフォメーション
住所 |
岡山県倉敷市中央1-1-15 |
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アクセス |
JR山陽本線 倉敷駅から徒歩約15分 |
TEL |
086-422-0005 |
公式HP | |
開館時間 |
9:00~17:00 |
休館日 |
毎週月曜日(ただし祝日の場合、7月下旬~8月は無休) |
料金 |
一般:2,000円 |