阿智神社
交通・交易の守り神・宗像三女神を祀る倉敷の総鎮守
阿智神社は、美観地区の北側にそびえる鶴形山(つるがたやま)の山頂に鎮座している神社です。倉敷の総鎮守として、宗像(むなかた)三女神を御祭神としています。宗像三女神はもともと航海・海上交通の安全や交易の神で、現代では交通安全や諸芸上達などの御利益がある神です。
阿智神社の創建は非常に古く、縁起については諸説あります。江戸時代になると「妙見宮(みょうけんぐう)」と呼ばれ、神道と仏教が混じり合った神仏習合の神社でした。
江戸時代の倉敷周辺は、海が干拓されて農地が広がります。また倉敷は江戸幕府の直轄地として代官所が設けられ、物資の一大集散地として繁栄。妙見宮は、財を成した倉敷の豪商や倉敷代官所の歴代代官からあつく信仰され、石灯籠や絵馬などが奉納されました。現在もその当時に奉納された石灯籠や絵馬が残っています。
明治時代になると神仏分離令により、妙見宮は阿智神社と名称を変えました。
また阿智神社には「阿知の藤」と呼ばれる、古いアケボノフジがあります。推定樹齢300〜500年とされ、日本で一番大きなアケボノフジです。阿知の藤は岡山県の天然記念物に指定されており、倉敷市の市花がフジなのも阿知の藤に由来しています。
ピックアップ
拝殿
随身門をくぐると、大きな拝殿が現れます。まずは拝殿で、神様にご挨拶をしましょう。
本殿
拝殿のうしろには、本殿があります。御祭神・宗像三女神をお祀りしている社殿です。阿智神社では、宗像三女神のほかにも、十九柱の神も合わせお祀りしています。
本殿は江戸時代初期の1620年頃(元和年間)に建てられた、非常に古い建物です。
随身門
随身門(ずいしんもん)は東参道を登り切ったところにあり、境内への入口にあたる大きな門です。
門の上部には、木彫りのウサギの姿が見えます。このウサギは阿智神社のオリジナル御朱印帳にも描かれており、阿智神社のシンボル的な存在です。なお御朱印帳は、授与所(社務所)でいただけます(初穂料が必要)。
天津磐境
天津磐境(あまついわさか)は、本殿の向かって左側にあります。神が降りてくるところとされる、大きな聖なる岩です。
絵馬殿
絵馬殿(えまでん)は拝殿の向かって左方向にあります。実は絵馬殿はもともと阿智神社の拝殿で、江戸時代初期の1682年(延宝2年)に建てられたものです。拝殿を新築する際に現在地に移転され、絵馬殿として使用されました。
絵馬殿からは見晴らしが大変よく、倉敷の町が一望できます。
高灯籠
絵馬殿の横にあるのが、高灯籠(たかとうろう)です。もともと美観地区の倉敷川にかかる中橋のたもとにありました。
高灯籠は港で舟の出入りの目印とされたもので、倉敷は倉敷川沿いの川港であったため、高灯籠があったといわれています。倉敷川が川港としての役目を終えたあと、阿智神社の境内へ移されました。
東参道 石段
本町通り沿いから登る東参道は、鳥居をくぐると石段が続いています。参道の石段は3つに分かれていて、それぞれ名前がついており、御利益があります。
最初は88段ある「米寿坂」で、長寿の御利益があります。次に現れるのが61段ある「還暦坂」。御利益は健康です。最後に33段の「厄除坂」で、開運の御利益があります。
阿知の藤
阿知の藤は、推定樹齢300〜500年とされるアケボノフジです。日本で一番大きなアケボノフジで、岡山県の天然記念物に指定されています。
阿知の藤があるのは、境内のすぐ北側。毎年4月下旬には薄紅色の見事な花が咲き、「藤見の会」が催されて多くの見物客でにぎわいます。
インフォメーション
住所 |
岡山県倉敷市本町12-1 |
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アクセス |
JR山陽本線 倉敷駅から徒歩約20分 |
TEL |
086-425-4898 |
FAX |
086-427-9230 |
公式HP | |
参拝可能時間 |
随時 |
授与所受付時間 |
8:30〜17:00 |
祈祷受付時間 |
9:00〜16:00 |