2022年03月30日

真備

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金田一耕助を生んだ横溝正史と吉備真備のゆかりの地

真備町は倉敷市の北西部にあるエリアです。もとは吉備郡 真備町でしたが、平成17年(2005年)に倉敷市へ編入合併しました。東西に小田川が流れ、真備町の東端で高梁川に合流。また町を東西に井原鉄道が走り、3駅が設置されています。

 

真備町は古代に豪族・下道(しもつみち)氏の拠点となった地域です。下道氏は奈良時代に遣唐使となって活躍した学者・政治家の吉備真備(きびのまきび)を輩出した一族。真備町という町の名は、吉備真備にちなんで命名されました。町内には吉備真備や下道氏にゆかりのある史跡もあります。

 

江戸時代には、町内を東西に西国街道(山陽道)が通過。東部の川辺地区は高梁川の渡しの地であると同時に、宿場町となりました。本陣・脇本陣がありましたが、現在は所在地を示す石標があるのみです。また北部の岡田地区には、岡田藩の陣屋がありました。現在、岡田小学校がある場所です。

 

戦時中には、ミステリー作家の横溝正史が、岡田地区に疎開していました。その後、横溝が残した作品の中には真備町で訪れた場所や地元住民との交流などからヒントを得たものもあるのです。現在、横溝正史が疎開した住宅は観光スポットとして整備されています。

 

真備町は、岡山県随一のタケノコの産地です。春にはタケノコ掘りのイベントも開催され、家族連れを中心に人気があります。またタケノコだけでなく竹細工や竹炭、竹水を使った化粧品など、竹に関わる商品の製造も盛んです。

ピックアップ

真備ふるさと歴史館

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真備ふるさと歴史館は、岡田地区にある歴史資料館です。

 

戦時中、岡田で過ごした小説家・横溝正史に関連する資料や、江戸時代に岡田を拠点にした岡田藩に関連する古文書や資料を数多く展示。収蔵品数は約3,800点におよんでいます。

 

真備ふるさと歴史館の東側には旧岡田藩陣屋だった岡田小学校、北側には「大池」があります。

横溝正史疎開宅

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小説家・横溝正史は、太平洋戦争時も岡田地区に疎開していました。そのときに居住していた家屋は、横溝正史疎開宅として保存されています。

 

岡田地区への疎開中に、『本陣殺人事件』などの金田一耕助シリーズを発表しました。そのため、横溝正史疎開宅は「金田一耕助 誕生の地」として、横溝ファンや金田一ファンのあいだで聖地とされています。

 

真備町の金田一耕助シリーズゆかりの地には、登場人物の像が建てられており、それらをめぐるウォーキングコースもあります。

まきび公園・まきび記念館

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まきび公園は、吉備真備を記念して整備された公園です。昭和61年(1986年)に中国の西安市に吉備真備の記念碑が建立されたのを祝し、中国風の公園が造られました。

 

公園内には四季折々の植物が植えられ、池や小川が配置されており、小規模ながら美しい景観を楽しめるスポットです。

 

また敷地内には、吉備真備の遣唐使としての活動や、帰国後の活躍などを展示した「まきび記念館」もあります。まきび記念館は、中国風の外観をした建物です。

 

真備公園の隣接地には、吉備真備や下道氏に関連がある吉備寺や、吉備真備の墓との言い伝えがある吉備公廟もあります。

琴弾岩

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琴弾岩(ことびきいわ)は、真備町西部・矢掛町との境界近くにある巨岩です。小田川の南岸にあり、まるで台のような平たい形をしています。

 

吉備真備が晩年に父祖の地である現在の真備町に住んだという伝承があります。そして中秋の名月の夜に、この岩の上で琴を弾いたと伝えられているのです。そのため琴弾岩と呼ばれるようになりました。

 

毎年、中秋の名月の夜に琴弾岩の上で琴や尺八を演奏する「弾琴祭」が開催されています。