2022年07月04日

先代の思いを引き継ぎ融合させるお店-〜融(とをる)民藝店〜 

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倉敷駅南口を降りて、美観地区へ行く方向に進みます。

アーケードのあるセンター街を通り、えびす通商店街を抜けると、左側に阿智神社西参道の階段。

そのすぐ奥に『融(とをる)民藝店』の建物が静かに佇んでいました。

店がお休みのときは、看板も出ていないので素通りしてしまいそうです。


  今日は木曜日。

『民藝とをる』と書かれた木の看板が、日差しを受け、光を放っているかのように眩しい。

木とガラスで出来た重たい引き戸を開けると、 「いらっしゃいませ」 店主が迎えてくれました。

彼の名前は、山本尚意(たかのり)さん。

月、火、水は、仕入れや、展示の入れ替え、また写真家の仕事もしており、休みにしているそうです。

木、金、土、日だけお店を開けています。



2022年の2月に先代の店主小林融子さんからお店を引継ぎました。

先代から引き継いだものと、新たに山本さんが考えて取り入れていくものを、店のなまえの通り融合させてお店を守って行きたいと話します。


倉敷には、『倉敷民藝館』という博物館があり、昔から現在までの民藝の品を見ることができる場所があります。

それならば、実際に民藝の品物を買えるところ、そんな役割をしているのが『融(とおる)民藝店』です。

色とりどりの器やコップ、花瓶がセンスよく置いてあります。

倉敷だけではなく、全国の民藝品が置いてあり、先代が以前から懇意にしていたところの品や、現在の店主山本さんが、自ら足を運んで仕入れたものなどさまざま。

  店内を見渡すと、色はカラフルだが模様はシンプル、北欧かヨーロッパを思わせる織物の座布団が置いてありました。

店主に聞くと「倉敷ノッティング」というウールで織られた毛足の長い椅子敷き。

  最近は、NHKやライフスタイル系の雑誌で取り上げられ、知っている人もいるかもしれませんが、倉敷の美観地区の中には、世界一小さな学校があります。

倉敷民藝館の川向いに存在するのですが、古い街並みに溶け込んでいて、誰かにここだよと教えてもらわないとわからない場所です。


  『倉敷本染手織研究所』と小さな看板が出ていました。

そこは、入学したくても予約がいっぱいでなかなか入れない学校です。

予約が多い時には、入学が3年先になることもあるそう。

宣伝はしていないのにもかかわらず、どこからか聞きつけ志願してくるそうです。


『倉敷本染手織研究所』では、1年間染織の基本を学ぶ事ができます。

そこで習得できる織物の一つが「倉敷ノッティング」。